
インプラント
インプラント
歯を失った際の治療は、入れ歯(義歯)やブリッジの他にインプラント治療があります。チタン製の人工歯根(インプラント)を顎骨に埋め込み、上に人工歯を装着することで、天然歯のような噛み心地と見た目を実現できます。部分入れ歯やブリッジとは異なり、健常な両隣の歯を削ることなく噛み合わせを再現できる治療です。
インプラントは、他の治療法に比べて安定感や使い心地が良いとされています。人間の噛む力は、強く噛みしめたときには、50~60キロもの力がかかるといわれています。歯根が顎骨に支持されている天然歯は、その力に耐えうるようにできていますが、インプラントも骨と強固に結びつくことにより、しっかり噛めるとされています。興味をお持ちの方、ご自身の残りの歯を大切にしたい方、まずは、お気軽にご相談ください。
インプラント治療を行うにはいくつかの条件があります。まず、土台となる歯槽骨が健康であることです。骨が足りない場合は、骨を補う「骨造成」が必要になります。それには、骨移植法、骨再生誘導法、上顎洞底挙上法などがあります。神経との位置関係や歯周病の進行程度なども評価する必要があります。
また、インプラントは外科手術ですから全身の健康状態が良好である必要があり、持病(心疾患、糖尿病など)がある場合、施術が難しいことがあります。顎が完全に成長していない成長発育中の子どもも適していません。
術後、定期的なメンテナンスと毎日の丁寧なブラッシングをお願いしています。歯に起こる歯周病のようにインプラントもインプラント歯周炎を起こし、骨が吸収してインプラントが揺れて最後には抜けてしまう病気があります。それを予防するためにも、定期的なメンテナンスと正しい歯磨きが重要です。
周りの歯を削らないで済む
歯が無くなった部位に人工歯根を入れて、天然歯のような噛み合わせを回復します。部分入れ歯やブリッジのように周りの歯を削ることなく、単独で治療ができます。
残っている歯に負担がかからない
天然歯のように噛む力をインプラントが負担するため、噛んだ時の力を周りの歯が代わりに負担する必要がありません。
天然歯と同じような強さで噛める
インプラントと顎骨がしっかりくっつくため、入れ歯では味わえない天然歯に近い噛みごこちが期待できます。留め具などもなく、ご自分の歯と同様の感覚が得られます。
見た目が自然で審美性に優れている
歯肉から歯が生えている状態を再現できます。天然歯と区別がつかない自然な仕上がりです。
手術が必要で治療期間が長くなる
顎にインプラントを埋め込む外科手術で、骨と結合するまでの時間も要するため、治療期間がブリッジや入れ歯と比較すると長くかかります。
自由診療のため高額になる
健康保険の適用外で自費診療になるため、治療費が高額になります。
正しい清掃方法の習得とメンテナンスが必要
インプラント周囲炎(歯周病)になるリスクがあるため、丁寧なブラッシングが必要です。インプラントは歯根よりも細いため、歯ぐきとの境目に段差ができやすく、汚れがたまりやすい部分があります。磨き方のコツを習得していただく必要があります。歯科での定期的なメンテナンスも必要になります。
次に失う歯の治療に制限が出る
インプラントと天然歯を繋げることは推奨されていないため、インプラントの隣の歯が無くなった時の治療の選択肢にブリッジを入れることはできません。
検査とカウンセリング
まずは、レントゲンや歯科用CTを使って、骨や周囲組織の状態を正確に把握することから始まります。CT検査ではスキャンしたお口の中のデータを3D化し、コンピュータ上で、埋入する部位の骨の状態(質、厚み、高さ)や血管や神経の位置などを確認し、手術のシミュレーションを行います。この検査結果に基づいて最適な治療計画を立案します。内容はカウンセリングで丁寧に説明いたします。カウンセリングでは治療へのご希望やご不安などもうかがいますので、遠慮なくお話しください。
術前クリーニング
インプラントを埋入する前に、感染症を起こすことがないようお口の中を清掃し、菌の数を減らしていきます。
インプラント手術
術式は手術を1回だけ行う1回法と、2回に分けて行う2回法があります。
手術では麻酔を使用するため、痛みを感じることはありません。
1回法
専用の機械を使って、チタン製のインプラント体を埋入します。埋入後は、インプラント体につけたキャップを、歯肉から露出させます。
2回法
インプラント体を埋入した後、そこにカバーを装着し、切開部を縫合して1次手術は終了です。1次手術から数カ月経ったら(上顎は5カ月前後、下顎は3カ月前後が目安)2次手術を行います。2次手術はカバーの上の粘膜を切開し、カバーを除去してキャップを連結し歯肉から露出させます。粘膜が治癒したら(2~3週間が目安)本物のアバットメントを連結して終了です。
人工歯の作成と装着
2次手術を終え、歯肉の状態が安定したら、型取りを行って仮歯を作製します。この際、かみ合わせや舌の違和感、頬を噛むなどの不具合がないかを確認し、調整します。最終的に完成した人工歯をアバットメントに装着して治療は終了です。
インプラントはメンテナンスが重要です
インプラントを長持ちさせるには日常の手入れと観察(メンテナンス)が大切です。清掃は歯科衛生士が専用歯ブラシなどを使用して指導します。また、定期的にかみ合わせの確認やレントゲン撮影をしてインプラント体の状態を診査します。
TOP